院長 新井 繁幸 様
BEYOND CLINIC DESIGN
「まずは、クリニックを開院されるにあたって、どんな課題や不安を感じてい らっしゃいましたか？」
昨今の建築費高騰などの社会情勢から自分のイメージする内装が実現できるのか？という不安がありました。また、テナントの開業なので物件によってレイアウトが自由にならない部分もあり限られたフロア面積にクリニックに必要なものを過不足なく入れ込めるのかという課題がありました。
「その中で、なぜ私たちの設計事務所に依頼いただいたのでしょうか？」
保険診療を行う内科のクリニックのイメージとは一線を画す内装にしたいという希望がありました。クリニック開業に際して多くの設計事務所を紹介頂きました。しかし自分のイメージに合うデザインは見つからず、ネットで検索して自分のイメージに合うデザイン事務所を探しました。紹介ではなく直接依頼したのでビックリされたのではと思っています。
「設計やデザインのプロセスで、印象に残っていることはありますか？」
物件の仕様上、院内全体をフラットにすることが難しく、トイレなど一部フロアレベルを上げなくてはならない部分があり何とかフラットに収めるため何度も修正をお願いしました。最終的に必要なものすべて入れ込み、かつ床を上げずにレイアウトを作ることが出来ました。私たちの希望を実現するため苦慮されたと思います。
「費用面の心配はありましたか? 進めてみていかがでしたか？」
年々資材など高騰しているのでやむを得ないですが、全体のイメージを維持しながら素材を変更したり一部デザインを変更したり、予算内に抑えるのには苦労しました。適切なアドバイスのおかげで実現できました。
「実際に完成したクリニックをご覧になって、最初の印象はいかがでしたか? また患者さんやスタッフさんの反応はいかがでしょうか？」
医療施設というよりホテルのラウンジやカフェのような印象を受けました。狙い通りに完成し安心したのを覚えています。かなりコストを抑えたこともあり、イメージ通りに出来ているか不安でしたが、自分たちが考える病院らしくない、リラックスできる空間に仕上がっていました。
スタッフ休憩室、機器の置き場など裏導線もこだわってレイアウトして頂いたので大変使いやすいと好評です。患者さんからも綺麗なクリニックと喜ばれ、同業者からはどこのデザイン事務所なのかと多くの問い合わせを頂きました。
「振り返って、もっと工夫できたと思う点はありますか？」
空調の吹き出し口や場所はもう少し検討の余地があったと思っています。今年はかなり真夏日が多かったのでその影響もあったかもしれません。
「日常の診療や運営の中で、この空間をつくって良かったと感じるのは どんな時ですか？」
患者さんから「リラックスして落ち着ける」と褒められることが多いので、そんな時はうれしく思います。なにより自分がこの空間で働くことが出来ることが贅沢だなと感じています。今後ともよろしくお願いいたします。