大手町ART クリニック customer interview

もうひとりのパートナー

大手町ART クリニック

東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエアB1

https://otemachi-art.com
院長 金 南孝 様

BEYOND CLINIC DESIGN

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01
質問

「まずは、クリニックを開院されるにあたって、どんな課題や不安を感じていらっしゃいましたか?」

回答

立地や通院のしやすさの確保をできるかをとても不安に感じてました。

不妊治療は何度も通院が必要になるため、患者様の仕事や生活との両立が大きな課題でした。特に大手町というビジネス街での開院にあたり、「いかにストレスなく、継続して通院いただけるか」が最大のテーマでした。

駅直結という好立地は確保できましたが、その場所で「病院らしからぬ、リラックスできる空間」をどう実現するか、また不妊治療はデリケートな内容が多く、他の患者様との接触、情報漏洩への不安を極限まで排除する必要がありました。

冷たい印象の病院ではなく、患者様が少しでも心穏やかに、前向きな気持ちで過ごせる「癒やしの空間」にできるか、高度な生殖補助医療(ART)を行うための専門的な医療機器の設置、動線、清潔さを保ちつつ、患者様が求める温かみのあるデザインを両立させる難しさが課題でした。

02
質問

「その中で、なぜ私たちの設計事務所に依頼いただいたのでしょうか?」

回答

コンセプトへの深い理解とスピード感ある提案力が決め手でした。

私たちの「患者様の心身の負担を最小限に抑え、最短距離で妊娠を目指す」という理念、特に「通いやすさ」「痛みへの配慮」「精神的ストレスの軽減」という点について、設計士の皆様が深く理解してくださいました。

単なる医療施設ではなく、「和モダン」「リラックスできる落ち着いた空間」というコンセプトに対し、具体的なイメージを超えた提案をいただけた点も印象的でした。

03
質問

「設計やデザインのプロセスで、印象に残っていることはありますか?」

回答

当初、大手町という土地柄を踏まえ、アマン東京やその姉妹ホテル「ジャヌ東京」のような上質な空間をヒントに「和モダン」へと解釈してほしいと要望させていただきました。この難しいコンセプトを、単なるデザインで終わらせず、「落ち着き」と「温かみ」に昇華させてくれたプロセスが印象的です。

特に、受付周りにさりげなく配置された松竹梅(しょうちくばい)のモチーフは、縁起が良いだけでなく、長い冬の終わりを告げる梅の花が、長期間にわたる不妊治療を続けてこられた患者様の「希望のシンボル」としても合致すると感じました。このモチーフは大変気に入ったため、クリニックのロゴマークにも採用させていただいたほどです。

待合室の照明計画や、木材と間接照明を組み合わせたデザインについても、まるでホテルのラウンジのような空間ができていく過程は感動的でした。

採卵後のリカバリールームや、診察室、カウンセリングルームなど、それぞれの空間で患者様がどのように感じるか、ストレスなく過ごせるかを、設計士の方が徹底的にシミュレーションしてくださったこと。特に、着替えの際に他人の視線が気にならないような細部の工夫など。

培養室や処置室など、専門性の高いエリアについて、医療機器のサイズや電源、動線を考慮しながら、デザインを崩さないよう、非常に柔軟かつプロフェッショナルに対応してくださった点がとても印象に残っています。

04
質問

「費用面の心配はありましたか? 進めてみていかがでしたか?」

回答

もちろん、開院にあたって費用は大きな懸念事項でした。特に、妥協したくない「デザイン性」と「機能性」を高めようとすると、当初の予算をオーバーするのではないかという心配はあった。

しかし、ストリームさんは、コストを抑えるべき部分と、患者様の満足度や治療の質に直結するため費用をかけるべき部分を明確に提案してくださった。

例えば、間接照明を効果的に使うことで、素材コストを抑えつつも、高級感や落ち着きのある空間を実現するなど、費用対効果の高い提案が多く、結果として納得感のある形でプロジェクトを終えられました。

05
質問

「実際に完成したクリニックをご覧になって、印象はいかがでしたか?」

回答

ウェブサイトで「温かみのある照明と和モダンなデザインが織りなす、心からリラックスできる空間」と謳っている通りの、まさにイメージ以上の仕上がりでした。

一歩足を踏み入れた瞬間に、大手町の喧騒を忘れさせる静謐な空気感があり、不妊治療に来たという緊張感を和らげてくれる空間になっていました。

隅々まで行き届いた配慮が多々ありで設計図面では分からなかった、素材の手触りや、光の入り方、待合室の椅子の配置一つひとつに、患者様への優しさが込められていると感じました。

清潔感があり、機能的な設計は、働くスタッフにとっても快適であり、質の高い医療を提供するスタッフのモチベーション向上にも繋がると感じました。

06
質問

「振り返って、もっと工夫できたと思う点はありますか?」

回答

全体としては非常に満足しており、強いて言えば、開院後に患者様から寄せられた「個室に近いスペースで電話対応したい」などの細かなニーズを、さらに柔軟に取り込めるような可変性のある設計があれば、より完璧だったかもしれないと感じています。

07
質問

「日常の診療や運営の中で、この空間をつくって良かったと感じるのはどんな時ですか?」

回答

患者様から「病院に来た感じがしない」「ホテルのようでリラックスできる」「この空間のおかげで、仕事帰りの夜診でも気持ちが落ち着く」といったお言葉をいただく時にとても嬉しく思います。

夜20時まで診療を行っていますが、お仕事を終えて駆け込んできた患者様が、この落ち着いた空間で少しでも心を休め、翌日また頑張ろうと思ってくださる様子を見た時や、不妊治療は長期戦になりがちですが、この居心地の良い空間が、治療継続の大きな支えになっていると実感できる時。

また患者様同士が不必要に顔を合わせることなく、デリケートな内容を安心して相談できる導線設計が、日々の診療でスムーズに機能していると感じる時に依頼してよかったなと心から思います。